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オフィスで、ステアリング・コンポーネントの設計を示す仮想モニターとソニーXR HMDから成る没入型環境で、Oracle Red Bull Racing Formula 1車両のアセンブリを見ているエンジニア・チーム。

産業用CAD

NX CADを使用した没入型エンジニアリング

NX CADが提供する最先端の没入型エンジニアリング・テクノロジーで、CAD体験を強化します。これらのテクノロジーにより、仮想環境で設計を視覚化、シミュレーションして対話、操作し、チームや顧客とのコラボレーションを改善できます。

没入型エンジニアリングとは?

仮想環境で設計を視覚化、シミュレーションして対話し、没入型エンジニアリングで理解を深め、コラボレーションを強化します。没入型エンジニアリングとは、拡張現実 (AR)、仮想現実 (VR)、複合現実 (MR) などのクロスリアリティ (XR) 没入型テクノロジーをエンジニアリングの実践で使用することです。アプリケーションには、仮想プロトタイピング、トレーニング用の没入型シミュレーション、保守・修理作業用の拡張現実オーバーレイ、ヘッドセットやコントローラーなどのVRハードウェアを使用したCADワークフローでの没入型設計などがあります。

没入型エンジニアリングは、現実世界とデジタル世界の両方を組み合わせ、完全統合されたユーザー中心の仮想空間を構築し、従来の2D手法とは一線を画すものです。未来の設計への次のステップとして、Siemens Xceleratorポートフォリオ全体で、高精細な3D対話、驚異的なビジュアル忠実度、シームレスな仮想コラボレーションを実現します。

ソニーXRヘッドマウント・ディスプレイを装着したエンジニアの片手は本物のF1ハンドルを持ち、もう片方の手は、空間でハンドルの仮想没入型デジタルツインを「持って」います。

没入型エンジニアリング・テクノロジーで使用されるハードウェア

  • ヘッドセットとディスプレイ: 没入型体験を実現する鍵です。XRヘッドセットは、ユーザーをデジタル環境に没入させます。
  • 触覚デバイス: 仮想環境でタッチや抵抗をシミュレーションするための触覚フィードバック (振動や力など) を提供する専用のハードウェアです。VRシステムでリアリズムやエンゲージメントを向上させるために、これらのコントローラーを使用します。
  • トラッキング・センサー: VRおよびARのセットアップでは、トラッキング・システム (外部カメラやセンサーなど) がユーザーの動きをリアルタイムで監視し、仮想環境または拡張環境との高精細な対話を可能にします。
ヘッドセット、リング型コントローラー、ポインティング・コントローラーを備えたソニーXRヘッドマウント・ディスプレイ。

没入型エンジニアリング・テクノロジーで使用するソフトウェア

  • 3Dモデリングおよびシミュレーション・ソフトウェア: 複雑な仮想環境、製品、システムの作成を可能にします。
  • 開発プラットフォーム: 開発者が没入型アプリケーションを構築するために使用するソフトウェア開発キット (SDK) とツールです。
  • レンダリング・エンジン: 非常に詳細でリアルな仮想環境をリアルタイムでレンダリングするには、専用のソフトウェアが必要です。
  • 対話およびコントロール・システム: ソフトウェアは、ハードウェア (ハンド・コントローラー、触覚デバイス、アイトラッカーなど) からの入力を解釈し、それを仮想環境または拡張環境内のアクションに変換するために使用します。
デスクトップ・コンピューターで作業するエンジニア。左側には、ソニーXRヘッドマウント・ディスプレイとNX Immersive Designerで没入型エンジニアリングを行うための「仮想モニター」があります。どちらのモニターにも、F1車両のハンドルのCAD設計を示すNXのウィンドウが表示されています。

CADと統合した没入型エンジニアリング

デスクトップ・コンピューターで作業するエンジニア。左側には、ソニーXRヘッドマウント・ディスプレイとNX Immersive Designerで没入型エンジニアリングを行うための「仮想モニター」があります。どちらのモニターにも、コーヒーマシンのCAD設計を示すNXのウィンドウが表示されています。テーブルの上には、コーヒーマシンの没入型デジタルツインもあります。

CADおよび製品設計プロセスと統合した没入型テクノロジーで、創造性を向上させて精度を改善するとともに、コラボレーションを強化して開発サイクルを効率化します。没入型テクノロジーとCADを組み合わせることで、設計者、エンジニア、製造担当者を問わず誰もが、より直感的かつリアルな形で3Dモデルまたはデジタルツインと対話できます。

没入型CADソフトウェアの利点

VR、AR、MRなどの没入型テクノロジーをCADソフトウェアと組み合わせることで、革新的な利点が得られます。主な利点は次のとおりです。

CADからVRへ

1クリックでVRモードへ移行し、没入型の仮想現実環境で、3Dモデルですぐに視覚化して操作できます。CADとVRテクノロジーのギャップを埋めるNXは、CADからVRへの統合プロセスを加速して簡素化し、CADデータの準備やエクスポートの必要性を排除します。

NX Immersive Designer

ソニーとのパートナーシップにより開発されたシーメンスの革新的な没入型設計ツール、NX Immersive Designerは、まるで物理オブジェクトを扱っているかのようにデジタルモデルとシームレスに対話できる、忠実度の高い3D環境での作業を可能にします。これは、シーメンスのNXソフトウェア機能と、デュアル4K OLEDマイクロディスプレイを搭載したソニーXRヘッドマウント・ディスプレイ (HMD) 空間コンテンツ作成システムを統合したものです。このセットアップは、リアルタイムのコラボレーションと高精細な3Dモデル操作をサポートし、高度な製品エンジニアリングとプロトタイピングに重点を置いている場合には特に有益です。

NX Immersive Designerの機能

デジタルツインと同じ空間に立ち、生産開始前に単一の没入型環境でプロセス・チェーン全体を視覚化して、明日のイノベーションを創出します。

精度の高い製品作成

従来のマウス入力やキーボード入力に対応したフル機能のNXを、高忠実度の3Dで体験します。デジタル世界と現実世界の区別がつかなくなるような、完全没入型の無限のキャンバスで、コンテキストに沿った設計を作成できます。

忠実度の高い製品概念構想

片目4KのOLEDマイクロディスプレイを搭載したソニーHMDで、比類のない設計ビューを体験できます。完全没入機能によってモデルと対話し、NXに最適化されたハンド・コントローラーを活用して高精細なモデル編集を行えます。

製品設計を支援する作業環境

前後の重量バランスが最適で、額の部分に特別なクッションを備えた軽量のソニーHMDを使えば、長時間の作業も快適です。ゴーグルを上げ下げできるため、マルチタスクも簡単で、ボーダーレスに体験できます。

グローバルにコラボレーションして製品を設計

NX Immersive Designerは、現実世界とデジタル世界をシームレスに組み合わせるため、世界中どこにいてもチームとコラボレーションしながら、フルスケールかつ高忠実度で設計と対話できます。NX Immersive Designerは、Siemens Xceleratorプラットフォームと統合することで、クラウド対応の拡張可能な開発ソリューションもサポートするため、自動車から航空宇宙、それ以外のさまざまな業界に適応できます。

シーメンスとソニーのパートナーシップ

シーメンスとソニーは、NX Immersive Designerの導入で没入型エンジニアリングを実現するために提携しました。

ソニーXRヘッドマウント・ディスプレイはNX Immersive Designerの基盤となる要素です。NX Immersive Designerは、業界をリードするシーメンスの製品エンジニアリングNXソフトウェアとソニーの視覚化テクノロジーを独占的に組み合わせた統合型ソリューションです。比類のない没入型設計とコラボレーションを通じた製品エンジニアリングの機能を提供します。

ソニーのハードウェアとシーメンスNXソフトウェアの緊密な統合により、チームは最も自然な形でデジタルツインと直感的に対話することが可能になります。そして驚異的なビジュアル忠実度とコントロール精度の組み合わせにより、チームはさらに多くのコラボレーション、さらに優れたエンジニアリング、さらに迅速なイノベーションを実現できるようになります。

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NX Immersive Explorer

シーメンスの没入型の視覚化および設計レビュー・テクノロジーの最新版であるNX Immersive Explorerを使用して、デスクトップまたは仮想現実で、設計を高い忠実度で視覚化します。NX Immersive Explorerは、ほとんどの主要なHMD (ヘッドマウント・ディスプレイ) ハードウェアのオプションと互換性があります。

設計変更を仮想現実で表示

NXまたはNX Xソフトウェアの標準ワークスペースから直接NX Immersive Explorerを起動します。 直感的なコントロールにより、特別なトレーニングやVRの経験がなくても誰でも簡単に使用できます。

NXでモデリングやアセンブリ構成の変更を行い、同時に没入型環境で設計の更新をライブで確認できます。

NX Immersive Explorer内からAssembly Navigatorにアクセスして、没入型環境内の部品の表示を変更できます。

メカトロニクス・アニメーションを高忠実度で視覚化

メカトロニクス設計の検証に大変革をもたらすNX Mechatronics Concept Designerのデータに基づいて、動いている設計の正確なシミュレーションを表示します。NX Mechatronics Concept Designerは、多体物理学や自動化に関連する動作を持つ機械設計のモデリング、シミュレーション、検証を行うためのNXアドオン・モジュールです。

ユーザーは、環境内で注釈や付箋、スナップショットなどの革新的な設計レビューツールを使ってコミュニケーションし特定の構成で保存された視覚化状態にすぐに戻ることができます。

NX Immersive Explorerは、 NX Value Based Licensing (トークン・ライセンス) を通じてのみ利用可能です。

左側のウィンドウでNX CAD設計を編集し、右側のウィンドウでは、NX Immersive Explorer for Desktopでリアルタイムに更新されるリアルなレンダリングを表示します。
トークン・ライセンス

NX Value Based Licensing (トークン・ライセンス) とは?

Value Based Licensing (トークン・ライセンス) を使用して、NX、NX Xの体験を強化: 柔軟性、拡張性、費用対効果に優れた方法で、さまざまな専門機能、先端機能にアクセスできます。

トークンのプールを受け取り、必要に応じて複数のチームに配布して、NXモジュールにアクセスできるようにします。プール内のトークンの数によって、同時にアクセスできるモジュールの数が決まります。ビジネスニーズの変化に応じてトークンを追加するオプションもあります。

Value Based Licensing (トークン・ライセンス) を表すグラフィック: ユーザーを表現する4台のデスクトップ・コンピューター、トークンプール内の「トークン」のスタック、およびモジュールの「チェックアウト」に必要なトークンの数が異なるさまざまな製品モジュール。

業界別の没入型エンジニアリング

没入型エンジニアリングのアプローチがさまざまな業界をどのように変革しているのかご覧ください。これらのテクノロジーは、トレーニング、製品設計、マーケティング、カスタマー・エクスペリエンス、その他のアプリケーションなど、幅広い分野で採用されています。

ユーザー事例

Natilus

航空貨物コストを50%~60%削減可能な航空機の開発にスタートアップ企業が活用したシーメンスのソリューション
Case Study

革新的な設計で航空貨物のコストを削減

会社:Natilus

業界:航空宇宙 / 防衛

開催場所:米国カリフォルニア州サンディエゴ, United States

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア:NX, SES (formerly Vistagy), Simcenter 3D Solutions, Teamcenter

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