耐久性に対応しなければならないエンジニアにとって最大級に難しい課題は、フェールセーフ機能のあるコンポーネントやシステムを最も効率的な方法で設計することです。システム部品の疲労強度が不十分であると、永久的な構造損傷や生命にかかわる事態を引起こす恐れがあります。また設計ミスは、製品イメージのみならず、ブランド全体のイメージを損なう製品リコールにつながりかねません。開発サイクルの短期化と厳しさを増す品質要件は、試験ベースの耐久性アプローチが限界に近付きつつあることを示しています。耐久性ソフトウェアの手法を使用するシミュレーションを活用して、耐久性能を評価や改良する方法が唯一の代替案と言えるでしょう。
Simcenterは、現実的な荷重条件を踏まえて、疲労寿命予測解析を素早く正確に実行するための最先端の解析手法を提供します。
Simcenter 3Dは、AM (アディティブ・マニュファクチャリング) プロセスに起因する局所的な特性を考慮しながら部品スケールの耐久性解析を実施する、ユニークな疲労解析ソルバーです。
Simcenterの耐久性ソリューションは30年以上の実績を持ち、低サイクルから高いサイクルまで疲労のメカニズムを効果的にシミュレーションします。現実的な荷重条件に基づいて迅速かつ正確な疲労寿命予測を作成することで、疲労解析の時間を短縮できます。Simcenterは並列処理を利用して、最も迅速で正確な結果を提供します。
数百回にのぼるスポット溶接と長時間のシーム溶接は、車体とサスペンション・システムで使用するシート構造に疲労を起こし、故障の原因になる可能性があります。Simcenterは、柔軟性のある大型の溶接システムや複雑なサブシステムの耐久性を高精度にシミュレーションします。例えば、Simcenterを使用すると、シーム溶接の耐久性評価を自動化することも可能なため、シーム溶接のメッシュに沿ってFEメッシュを適用する煩雑な作業に煩わされることはありません。スポット溶接の疲労シミュレーションは、Rupp/LBFアプローチ、CDH、特殊JSASS (日本航空宇宙学会) モデル、詳細なモデリングによる応力ベースのアプローチを使用します。
Simcenterの強みである有限要素法をベースとした複合材料の解析機能と、新しい耐久性ソルバー・アプローチを組み合わせることで、進行性損傷の影響を正しく解析することができます。複雑な荷重状況下での複合材料の疲労寿命中に、剛性の低下と応力の再分布を組み込むことができます。Simcenterは、振幅が変化する複数の負荷の下で良好に機能する、損傷耐性のある軽量設計の開発を支援します。この手法は、短繊維と長繊維の強化プラスチックと接着剤構造のような強固な構造に対して有効性が実証されています。
Simcenterソリューションは、Fiatが耐久性と疲労を仮想的に検証し、妥当性を確認するために役立ちます。
会社:Fiat
業界:自動車 / 輸送機器
開催場所:Turin, Italy
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア:Simcenter 3D Solutions, Simcenter Testing Solutions
