

正確な周波数応答関数 (FRF) は、モーダル解析、伝達経路解析、振動のトラブルシューティングなど、騒音振動 (NVH) の各種実験と解析に不可欠です。これらは、構造物の動的挙動を完全でありながらも単純に表現します。また、モーダル・パラメータの識別を行うためのさらなる活用も期待されます。
FRFを測定するための単一方法はありません。Simcenterの試験ソリューションは、正確なFRFを取得するさまざまな機能を備えています。シーメンスの衝撃ハンマーおよび加振器試験専用ソリューションと、さまざまな種類の加振プロファイルを使用すれば、試験シナリオを実行して、高品質のデータをすばやく効率的に入手できます。
加振器試験によって、広い周波数範囲で構造物を加振することで、より再現性の高い測定を行ってFRF測定を最適化し、最高の品質基準を満たします。最も広い範囲の加振信号で最大16個の加振器を駆動することで、局部共振であっても適切に特定できます。
モーダル・ハンマーのインパルス加振により、広い周波数範囲とあらゆる条件で構造物を試験します。ハンマーは、センサー構成を変更することなく、いくつかのポイントをすばやく加振し、アクセスが困難な場所にも対応できる柔軟性を備えています。モーダル・ハンマー試験は、必要な計装が最小限であるため、製造現場での試験に理想的なソリューションです。
航空機のような高度にクリティカルな構造物の試験では、広い周波数帯域にわたる加振ではなく、単一モードの非常に正確で確実な特定が必要です。ノーマルモード試験では、いわゆる位相割り当て試験技術を使って、加振器を制御し、事前定義したモードに固定します。
大きな構造物を試験する際は、FRF測定を向上するために周波数線あたりのエネルギーを最大化することが重要です。重要な部品や高価な部品の場合、構造物の完全性を維持するために、加振の振幅を制御して事前設定したレベルに保つ必要があります。シーメンスの周波数スイープ加振器試験ソリューションを使用すれば、構造物を最適な方法で加振することができます。また、力のレベルを制御することで、構造物が非線形挙動を示すかどうかも確認できます。